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大事なことはたいてい小さく書いてある

パッケージデザインで悩んだ話

これは当店の商品パッケージを決めるときに紆余曲折した話です。

当店のロゴデザインも作成し、以前よりどんなデザインでパッケージを作成したらよいかと色々なイメージを広げておりました。

私は元々古書や古道具が大好きで、そのビンテージな世界観を反映したものを作ってみたらと思い試作してみました。

しかし実際試作してみると、なんだかコレジャナイ感がどうしても付きまとったのです。

第三者に仮のデザインを見せて意見を聞いても悪くない反応でしたが、何というか私たちの本当の心が入っていない感覚があったのです。
(私の浅はかなオマージュとインスパイアの限界ということもあったでしょうが‥‥‥)

食品衛生検査での一言

それは当店の豆腐の食品表示作成のために食品衛生検査に出した時の事でした。

検査結果の受け取りの際に係の方がおっしゃられた何気ない言葉に私はハッとされられました。

「この豆腐なら食品表示を前面に押し出したパッケージもおもしろいかもしれませんね」

一言一句ははっきりと思い出せませんが、何気ない係りの方の言葉が私の中に引っ掛かりました。

そしてデザインの打ち合わせで煮詰まった時、そのエピソードが浮かび上がったってできたのが今のパッケージデザインです。


大事なことが大きく書いてあることが本当の安心じゃない?


私はとうふ屋葉月を開業する前、地元の農協に努めており、営業の部署にも配属経験があります。

その時身に染みて感じたことは「世の中大切なことはたいてい小さな字で書いてある」ということです。

契約書に約款、免責規約。カタログの隅に目がチカチカする小さな字で書いてある注意書きに本当の重要事項が隠れていたりするのです。

世の中を見てみると、食品表示や栄養表示はパッケージの隅に小さく書かれています。

でも、その食品にはどんな材料が使われていてどのように作られたかというのは、ブランドイメージや美味しそうな商品画像や素敵なキャッチコピーよりも大事なことではないでしょうか。

手に取っていただく方の安心・安全につながる大切なことが正面に一番大きく書いてあるのが、もっとも「とうふ屋葉月」を体現したデザインなのではないかと私共の中で腑に落ちたのでした。

 



見栄えの良さより本質を皆様に伝えること

出来上がったパッケージデザインは、デザインという言葉を使うのもおごがましいものになりました。

でも、私は今のパッケージデザインがかつて自分で色々とかっこつけて考えていたデザインより好きです。
何より当店の製品の本質をついているように思えます。

見た目の美しさや美味しさではなく、どのようなものでどのように作られているかを大切にした当店の豆腐をよく表していると感じます。

最後に皆様に大切なことなので、もう一度お伝えしておきます。

「大切なことは、たいてい小さな字で書いてあります」


‥‥‥おかげで私は最近近くのものを見るとき、
遠近両用の眼鏡の度が合わなくなってきてしまいました。

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