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鉄釜② 薪焚き

当店の代名詞である鋳鉄製の大きな鉄釜
燃料として当店では薪を使用しております。

 

なぜ、薪を使うのか

正直な話、直径1メートルを超える
これだけのサイズの鉄釜に合うガス火台が無いので、
竈炊き以外の選択肢が無いというのが本当のところではあります。

ただ、仮にこの釜のサイズに対応したガス台があったとしても、
やはりガスではなく薪を使っていきたいと考えています。

山々に囲まれた自然豊かな大山エリアにおいては、
薪というのは安価で安定して調達ができる
自然由来のエネルギー源であり、
薪として活用した後の炭は、畑の肥料になる他、
余すことなく使いきれて無駄がない。

今の時代にフィットした循環型のエネルギーだと思っています。

 

生産性の向こう側にあるもの

薪炊きでの「温度管理」はかなり大変です。
呉(砕いた大豆に水を加えたもの)が「にがり」と反応するためには
80℃前後の温度にする必要がありますが、
温度が低すぎると反応せず、
温度を上げ過ぎると焦げてしまう。

熱源を薪にすると、この温度の微調整が非常に難しい。
品質を一定のものにするのはかなり至難の業です。

あとはやはり時間がかかります。
薪を焼いて炭にし、炭から熱源を取るためには当然手間がかかりますし、
釜のサイズが大きい分、お湯や呉を沸かすのにも時間がかかります。

はっきりいって生産性の観点からいうと
問題外の方法です。
この鉄釜を使用しているがために
一回の豆腐の生産が5~6時間かかります。
そして出来上がるのが、たったの約50丁。

品質の揺らぎも生じることから
一般的に「美味しい」とされる豆腐を
「安定して」作るという意味では
間違ったやり方なのかもしれません。

しかし、私たちの想いとしては、
「美味しい豆腐」というよりも
「自信をもって家族の口に入れて安心な豆腐」を
皆様に届けたいということに尽きます。

その想いに対して、噓偽りのない作り方をしている
「自負」を持っていることが、とうふ屋葉月の
アイデンティティであるのかなと考える次第です。

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